ローズマリー3種の精油~比較してみました~

ローズマリー・シネオール
ローズマリー・ベルベノン
ローズマリー・カンファー

この3つの精油は、同じ学名を持ちますが、科学的に分析をすると、科学成分の比率も異なりますし、香りはもちろん、作用の特徴も異なります。
これを、「ケモタイプ」といいます。

同じ学名であっても、植物が育つ土壌や気候、風土などの自然環境により、含有成分が大きく異なることがあります。
なぜなら、植物は動くことができません。
どんな過酷な環境の中でも、生き延びていかなければなりません。
そのために、自然環境に適合した成分が植物から検出されるのです。
医学の父と呼ばれたヒポクラテスの言葉に、「病気になったときには、自分の周りにある自然の中から薬を探しなさい。」とあるそうです。
その土地で育った植物は、その土地に住む人間の力にもなっていたということです。
昔の人々は、今より五感も六感も優れていたのかもしれません。
しかし、今は化学の発達した現代です。
ですから、動物的な勘や経験も、もちろん大事ですが、正しく精油を選ぶことが重要となります。

「Rosmarinus  officinalis」

これが、ローズマリーの学名です。
officinalis は、「薬用の」という意味で、かつて薬草店に売られていた植物であることをあらわしているそうです。

同じ学名を持つローズマリー。
3つの種類を、どういう使い分けをすればいいのか、気をつける点などをみていきます。

まずは、一般的なローズマリーといえば、これを指すことの多い、ローズマリー・シネオールです。
(グラフは、私の技術がないため、ざっくりと作ってあります。そのうちキチンと改良いたします。)

Rosmarinus officinalis CT2
Cineole-1
これは、ケモタイプの2番、ということです。
2番だと、一目でどういうタイプの精油がわからないので、今は、
Rosmarinus officinalis CT(Cineole)
と、シネオールのタイプであることがわかる表記になっています。

この精油の特徴は、酸化物類の1,8シネオールを多く含むことです。
1.8シネオールは、免疫調整作用、抗炎症作用があります。
それから、モノテルペン炭化水素類も多く含みます。
この2つは、各種感染症に対しての期待ができます。
去痰作用(痰を排泄して解消する作用。)や、抗カタル作用(粘膜の炎症(特に鼻や咽頭など)を抑制する作用。)を持つ酸化物類は、特に風邪などの呼吸器の疾患に期待ができます。
感染症に期待ができますので、風邪やインフルエンザの予防に適していることがわかります。

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ローズマリー・シネオールは、注意事項や禁忌事項がありません。
用法用量を守って使用すれば、誰でも安心して使用できるのが特徴です。

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続いて、ローズマリー・ベルベノンです。
Rosmarinus officinalis CT3
Verbenone-1
これは、ケモタイプの3番。
Rosmarinus officinalis CT(Verbenone)

この精油は、モノテルペン炭化水素類、酸化物類、ケトン類をバランス良く含んでいます。
各種感染症にも期待できます。
ケトン類のベルベノンは、肝臓系に素晴らしい作用があるとされます。
肝細胞再生作用及び肝臓の排液作用、抗カタル作用、粘液溶解作用、重要な内分泌腺調整作用、神経調整作用及び心臓調整作用、脂肪溶解作用、瘢痕形成(創傷治癒)作用及び皮膚再生作用などが期待できるとされます。
ベルベノンは、胆汁分泌促進作用、粘液溶解作用、抗真菌作用があります。
脂肪溶解作用も優れていますので、女性の悩みで多いセルライト除去のオイルなどに活用できます。
ローズマリー・ベルベノンに、冷え性や血液循環障害に期待できる、ジュニパー、パチュリー、それから、香りの相乗効果を期待して、グレープフルーツ。
これを植物油で希釈して、お風呂上がりのマッサージオイルを作りました。
スッキリした使用感のあるオイルです。
ケトン類には、神経毒性があり、禁忌事項がありますが、ケトン類のベルベノンの毒性は、他のケトン類に比べて非常に低いとされます。
そのため、用法用量を守って使用すればリスクはほとんどないとされ、禁忌事項はありません。
ただ、慎重を期して、一生続くわけではないので、乳幼児や妊婦、妊産婦の使用は避けたほうが安心ですね。

ローズマリー・ベルベノンは、乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、神経系統の弱い患者(老人)、てんかん患者には用法用量を守って注意して使用しましょう。
という、注意事項があります。

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最後は、ローズマリー・カンファーです。
これは、ケモタイプの1番。
Rosmarinus officinalis CT(Camphora)
Camphora-1
モノテルペン炭化水素類、酸化物類、モノテルペンアルコール類を含みますので、各種感染症に期待ができます。
ケトン類のカンファーを多く含んでいます。
カンファーには、筋肉弛緩作用があり、モノテルペン炭化水素類には、抗炎症作用、鬱滞除去作用がありますので、筋肉痛や肩こりに期待ができます。
カンファーは、筋肉弛緩作用、昆虫忌避作用、延髄の呼吸中枢刺激作用、血管運動興奮作用、冷却作用、結石溶解作用があります。

ここで、ケトン類の毒性についてのお話です。
ケトン類には、禁忌事項があります。
乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、神経系統の弱い患者(老人)、てんかん患者には使用しないようにしましょう。
(ケトン類に神経毒性や堕胎作用(流産惹起作用)があるためです。)
このような禁忌事項です。
ケトン類は必要な芳香成分ですが、ケトン類が持つ毒性と、流産を引き起こす可能性があると考えると、使用に大きな注意を払う必要があります。
ケトン類の毒性とは、神経毒性と堕胎作用を指します。

芳香のみで使用する人の中には、ローズマリー・カンファーに対して、禁忌事項はあるし、他のローズマリーに比べて樟脳臭がきついことから、「他のローズマリーがあるのだから、わざわざ危険なものを存在させる必要はないんじゃない?」なんて声を聞いたことがあります。
しかし、毒性といっても、さほど怖がることはありません。
なんでもそうだと思いますが、多量に用いると、薬でも毒になります。
毒でも、正しく使えば、薬になります。
目的にあった使い方をすれば、好結果が得られますし、間違った使い方をすれば、身体に害を与えることもあります。
正しい知識があって初めて、効果的で危険のない使用ができるということなんですね。

ローズマリー・カンファーは、花言葉にあるように、記憶力や集中力を高める働きがあり、「ブレイン・トニック」(脳の活性剤)とも呼ばれることがあるようです。
脳内を活性化させる働きや脳内血流に働きかける作用があることから、医療として、アルツハイマー疾患者に対するアロマテラピーの有用性について、軽度であった場合に症状が改善する可能性があるとの報告もあるそうです。
これからは、ますます高齢者が増えます。
親も年をとります。
もちろん、自分自身も年をとります。
そこで、日頃から、交感神経と副交感神経の切り替えをできるようにしておきたいですね。
嗅覚は脳に関係が深いので、交換神経と副交感神経に働きかける芳香のレシピに最適だとされます。
認知症の始まりは、嗅神経の障害から始まるとされます。(特に左の鼻)

朝用
・ローズマリー・カンファー 2滴
・レモン 1滴
夜用
・ラベンダー・アングスティフォリア 2滴
・スイート・オレンジ 1滴

これは、朝、しっかりと覚醒する香りを嗅いで、夜、ゆったりと鎮静する香りを嗅いで、交換神経と副交感神経のバランスを作るということです。
ともに2時間ほどディフューザーなどで芳香します。
夜は、寝る1時間ほど前から芳香するのが良いとされます。

認知症の研究では、この精油で、このバランスが最も効果的であったとされますが、日頃、予防として使用するのであれば、朝は覚醒、夜は鎮静を心がけていれば、自分の好みの香りで組み合わせてもいいと思います。

ローズマリー・カンファーの香りは樟脳臭くて苦手だなと思う人もいるかもしれませんが、柑橘系の香りとは相性がいいです。
自分好みの香りは、以外な組み合わせから発見することもありますので、試してみるのもいいかと思います。

※最近のドイツの研究では、1,8シネオールが認知症に良いのでは?と、いわれているそうです。
その研究では、、ローズマリー・ベルベノンが使用されているようです。

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このように、同じ学名を持つ、ローズマリーの精油の違いをみてきましたが、
・誰でも安心して使用できる精油
・注意事項のある精油
・禁忌事項のある精油
と、タイプの違いがあることがわかりました。

禁忌事項のある精油を知るには、やはり、学名、分析表は必要であることがわかりますね。
精油を扱うときには、必ず、自己責任を問われます。
周りの人に安心して使ってもらうためにも、まずは、正しいことを知ることが大切なんですね。

ローズマリー・シネオールの精油

ローズマリー・ベルベノンの精油

ローズマリー・カンファーの精油

ローズマリーのエピソード

分析表~付いていれば安心?~

精油って?ケモタイプって?

精油の抽出方法

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