ローズマリーのエピソード

ローズマリー Rosemary

ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑低木です。
若返りの象徴としても、薬用としても、記憶のハーブとしても名高いハーブです。
古くから生活に根付き、厄払いや病気払いのために寺院などで焚かれ、死者への敬意を払う香りでもありました。

●語源
Rosmarinusは、ラテン語です。
rosは「しずく」、marinusは「海の」の合成語です。
海のしずくと呼ばれているのは、水辺の好きなローズマリーが、辺り一面にブルーの花が浮かぶように点在している様をあらわしたといわれています。
他にも、「海のしずく」=「精液(海の精・海の精気)」体内にある一切の液体のうちの最も強力な成分が分離してできたものが精液(強い香りの精油)で、海に向かって断崖などに咲いていることをあらわしているともいわれています。

●別名
「Rose of Mary」 「聖母マリアのバラ」
英語のRosemaryは、rose(バラ)、mary(聖母マリア)からとういう説があります。
しかしこれは、音が似ていることから、後から関連付けられたとされます。
”迫害を受けてエジプトへ逃げる途中のマリアが、野宿のために自分のマントをローズマリーの上にかけたところ、それまで白色だった花が、一夜にして青に変わった”という逸話があります。

「香木(アンサンシエ)」とも呼ばれます。
これは、古いフランス語です。
小枝を使って魔除けとして悪霊を祓ったり、これを薫香として焚いていたことから、このように呼ばれていたようです。

●和名
マンネンロウ(迷迭香)←漢字で書くと中国表記と同じです。
永遠の青年とでもいえる若返りの強壮力のある植物とされて命名されたといわれます。
昔は写本で伝わったため、マンネンコウ(万年香)が書き謝って広まったのかもしれないともいわれています。

●花言葉
「記憶」
シェイクスピアのハムレットの中でも、「忘れないでという印です」と、ローズマリーを差し出します。
中世の人々も、ローズマリーの香りが、人間の記憶に働きかけることを、体験的に知っていたのかもしれませんね。

※記憶という花言葉にあるように、最近では、ローズマリーが認知症に良いのでは?と、研究が進んでいます。

●歴史
古代エジプトの墓から、ローズマリーのブーケが発見されています。
神に捧げる芳香として使われていたとされています。

古代ギリシャなどでは、木や葉を悪霊を払う薫香に使ったり、虫よけとして利用してきました。
肉を保存するのにも使われていました。
肌を若返らせるとされて、化粧水や香水としても利用されていました。

ローズマリーは、長い歴史を持つため、非常にたくさんの逸話があります。

なかでも、現在残る最古のレシピとして、「ハンガリー・ウォーター」は有名です。
ただし、物語自体はフィクションであるとされます。

”ハンガリーの王妃が70歳を過ぎて、リウマチに悩んでいました。
それから、隣の国の王子に恋をして、若さを取り戻したいと悩んでいました。
森に住む隠者に相談すべく出掛けたところ、道中みすぼらしい身なりの男に出会いました。
心優しい王妃は、マントと食べ物をあげたのです。
すると、その男が探していた隠者だったのです。
男は感謝し、お礼に「若返りの水」の処方を教えてくれました。
王妃は、処方どうりに数種のハーブをブレンドしました。
リウマチは治まり、肌も若返り、日ごと美しくなっていきました。
その噂は隣国まで広がり、王子からプロポーズされたそうです。”

ハンガリーウォーターは、アルコールと蒸留したリキュールで、当初は薬酒として作られたそうです。
その後、香水として使われていました。
アルコールベースの香水の起源のひとつとされているようです。

西洋で大流行したペスト除けにも利用されました。
17世紀、南フランスのトゥールーズでペストが大流行した際、ペストで死亡した人々から盗みを働いた泥棒たちがいましたが、彼らはペストに感染しませんでした。
無罪にする条件で、聞き出すと、「秘密の液体を飲んだり、肌にすり込んだりしていたから」と白状しました。
ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダーなどを酢に浸して作った薬を塗って、感染を防いでいたのでした。
このお酢は、「4人の泥棒の酢」と呼ばれ、商品化されたそうです。
今でいう「ハーブビネガー」だったようです。

疫病が流行ると、小さな袋にローズマリーを入れて、首からかけ、時々匂いを嗅げば、病菌のはびこる地域でも感染しないですむとされていたそうです。
部屋の空気が汚れると、ローズマリーを焚きました。
これは、ミアスマ(瘴気しょうき)といって、19世紀まで、ある種の病気(今でいう感染症)を引き起こす原因は、悪い空気のためであると考えられていました。
そのため、空気を清めるために、病人のいる所や病院で、ローズマリーが焚かれていました。

イギリスでは、監獄熱の感染予防に法廷に持ち込まれました。
裁判所で、ローズマリーの枝を編んで柵を作り、熱狂した傍聴人が前のほうに押し寄せないようにしていたそうです。
ベッドのそばに置けば、悪夢を祓うとされました。
盗難除けに、家の周りに植えたり、窓や玄関のドアにかけていました。

ローマでは、安定のシンボルと考え、神聖なものとして、神々や家の周りに飾りました。

地中海の地方では、リネンを乾かすときに、ローズマリーの上で乾燥される風習がありました。
今でもこの風習が残る地域があるそうです。
日を浴びて、ローズマリーの芳香が移るそうです。
魔除けの御守りとして、リースにして飾ります。

ヨーロッパでは、教会、死者、生者を、悪魔から守る神秘的な力を持つとされました。
記憶や友情を意味するとされていました。
キリスト教以前のヨーロッパでは、祝典や結婚式、葬儀に用いられたとされます。
このことから、「変わらぬ愛」や「貞節」の象徴とされます。
結婚式には、ローズマリーの小枝を香料入りの水に浸したものを、花嫁が身に付けるという伝統的な習わしがありました。
この小枝が新居に根付けば、幸せになるそうです。

恋人たちは、それを互いを惹きつけるポペット(布人形)に使いました。

お葬式では、思い出の印として棺におかれました。
現在でも会葬者がローズマリーの小枝を身に付けることがあるそうです。

●パワー 「守護」、「愛情」、「欲望」、「精神力」、「悪魔払い」、「浄化」、「治癒・治療」、「睡眠」、「若さ」

●おまじない(魔法)
ローズマリーは最古のインセンスの一つです。
ローズマリーは、燃やすと洗浄や浄化の強いバイブレーションを生み出します。
燻すと、ネガティブな場所が清められます。
枕の下に置いて寝るとぐっすり眠れて、悪夢を見ないとされます。
ベッドに下に置いて寝ると、その人をあらゆる危害から守ってくれます。
ポーチや側柱の上に吊しておくと泥棒除けになります。
持ち歩くと、健康を維持することができます。
お風呂に入れると、お清めになります。
ローズマリーの花飾りを頭にかぶると、記憶力が良くなります。
木質部分の匂いを嗅ぐと、若さを保てます。
若さを保つために、ローズマリーの煮出し液を、お風呂に加えます。
治療用にポペットに入れると、病気に効くバイブレーションを活用することができたとされます。
病室で、ローズマリーの葉とジュニパーの実を一緒に混ぜてから燃やすと、より治療効果が高まるとされます。
ヒーリングのおまじないの前には、ローズマリーの煮出し液で手を洗うと良いとされます。
博学になりたかったり、疑問に思っていることの答えを知りたいというときには、ローズマリーをを炭を燃やし、その煙の匂いを嗅ぐと良いとされます。
ローズマリーを育てると、小人たちが魅了されます。
そのため、パウダー状にした葉を麻布にくるみ、それを右腕に結びつけると、気持ちの落ち込みを晴らしてくれて、気分を軽くして楽しくさせてくれるとされています。
一般に、ローズマリーはフランキンセンスの代用として使われます。
ほかにも、こんなおまじないがあります。
枕の下に銀貨とローズマリーの小枝を置いて寝れば、未来の恋人の夢を見ることができるんだそうです。

ギリシャ神話にもある、神々の住むオリンボスの山の花だったためか、神話が多く残るハーブです。
ローズマリーは人々に親しまれて、活用されてきた植物であることがわかります。

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