分析表がついているものが、精油を選ぶための判断基準の一つです。
学名が特定されていて、化学的に分析されていると、目的に合わせて芳香成分を選ぶこともできます。
抽出の方法も大事ですね。
通常、アロマテラピーで使用するのは、水蒸気蒸留法、圧搾法で抽出されます。
溶剤抽出法という抽出の仕方もありますが、最終的に溶剤が残留している可能性がありますので、基本的に使用することはありません。
無農薬で栽培している、もしくは自生しているものを選ぶことも大切です。
食品を選ぶ基準にもなっていますね。
「私は、農薬入りが好みです。」
なんて人はいないですよね。
体に入るものと考えると当然気になる部分です。
精油は植物の有効成分を、だいたい100~200倍に濃縮したものです。
ですから、1%に薄めると、普通の植物の状態の濃度になるとされます。
それだけ濃縮されているということは、仮に農薬が含まれていたとすると、農薬も濃縮されてしまうということです。
精油の芳香分子の多くは分子量が250を超えないために、皮膚を通過して体の中に吸収されます。
近隣の農場と協力し合い、無農薬であることが好ましいです。
そこで日本国内で分析した内容であれば、なお安心です。
これは、海外の農家さんの基準と日本基準にずれがある場合もあると仮定します。
それから、海外でしっかりと分析されていたとしても、輸入の際に、成分の品質が変化する場合があると仮定します。
その精油に対する分析値であるかなども確認されます。
これは、その年の気象状態によって、成分が微妙にかわったとしても、必ず、その年のロットごと(収穫した産地や年などを管理して番号を付けています。)に調べているかを確認するためです。
農薬や酸化防止剤が含まれていないか、その他にも、比重・屈折率・施光度・酸化・ケン化価なども検査して、不純物が混ざっていないかを調べます。
これは、せっかく無農薬で育ったはずなのに、隣の農場から飛んで来る場合もあるからです。
そればっかりは、見た目で判断はできません。
ですから、100%天然だとか、オーガニックとかだけでは不十分なんですね。
精油が出来上がり、全行程を終えたものを、最後に分析してみて、初めてわかることがあるからです。
分析をするのには、非常にお金がかかります。
オーガニックの認定を行うのにも、非常にお金がかかります。
小規模の農家さんで、とても良質な精油を作っていても、それらが金銭的にできない場合もあります。
ですから、信頼できる農家さんの精油であれば、分析表がなくても、オーガニックの認定がなくても輸入して、国内であらためて分析されて、私たちの手もとに届くことになります。
ただし、残念なことに、成分表ばかり気にする日本人のために、偽装した成分表を入れている業者が存在します。
水蒸気蒸留法で抽出されたと記載されてあるにもかかわらず、溶剤が混ざっている分析結果の場合もあるようです。
なかなか分析が難しく、精密な機械をもってしても検出されにくい成分もあるにもかかわらず、とてもキレイな分析表で、全てを足すと100%になっているようなものを付けているものがあれば、それも疑わしいです。
オーガニックについても同じで、自社で作ったオーガニックロゴを付けている場合もありますので、第3機関の認証を毎年得ているかどうかを確認する必要があります。
こうなってしまうと、成分分析表がついているから、絶対に安心!とはいえないですね。
何を信じるべきなのか。ですね。
私の個人的な考えですが、やはり、日本国内で再度分析を行っているものが安心かなと思います。
キチンとしてあれば、輸入した精油を国内分析して、その際に農薬を検出した場合、その年にとれた同じロット番号の精油をすべて欠品として販売しません。
そういったことが実際にあれば、キチンとした分析、販売をしてくれているのかな。と思いますから。
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