ローズウッドのエピソード

ローズウッド

ローズウッドと呼ばれるので、多くの人が「ローズ(バラ)」と関係があると勘違いしていますが、ローズとは香りが似ているだけで、原料はバラとは全く異なる植物です。
パルマローザとの混同をされる場合もあるようです。
アマゾンの森林に多く自生しています。
クスノキ科に属する樹木で、アロマテラピーの代表的な優れた精油を蒸留することができます。
10~15mの高さです。
葉は、披針形で尖っていて、表は濃い緑色で光沢があり、常緑で硬くて滑らかです。
花は、腋生の小さな散形花序に黄色っぽい白い花で、多数の黄色い雄しべがあります。
秋に蕾みをつけます。
実は、卵形の小さな実で、緑色で熟すと黒色になります。

●語源
ローズに似た香りからこの名前がついています。
rosaeodoraはラテン語、rosaeは、バラの、odorus,a,umは香りのあるの合成語で、「バラのような香りのする」という意味です。
赤みがかった色からその名がついたともいわれます。

●別名
ポアドローズと呼ばれ、香料の重要な原料としてもてはやされた植物です。
Pau-de-rosa(ポ・ド・ローザ)

●歴史
ローズウッドの中で、最初に利用されたのは、フランス領のギアナ産で、出荷する港の名にちなんで、カイエンヌ油と呼ばれていました。
この、品種を異にする「カイエンヌ」(Ocotea caudata)(ギアナ)と呼ばれるローズウッドは、現在では市場から姿を消しました。
フランスでは、マホガニーに似た、重くて固い木材で、バラのような香りがすることから、高級家具の材料としても用いられました。
楽器や飾り棚、ブラシ、ナイフの柄などに使用されていました。

rosewood-2
1960年代前半までは、ローズウッドの精油は、リナロールの供給源として重要とされていました。
最盛期には、年間500トンの精油(木材に換算すると5万トン)が生産されていました。
しかし、1960年代後半に、リナロールの合成方法が確立すると、生産は急激に衰退しました。

ギアナ産のローズウッドが市場から姿を消したため、ブラジルのローズウッドが市場に受け入れられるようになります。
ギアナ産とブラジル産のリナロールは異性体も異なります。
(異性体とは、精油の芳香分子には、「d,l」「cis,trans」「α,β」などがついているものがあります。
分子式が同じで、構造式が異なる化合物で薬理作用などの性質が異なることをあらわしています。)
アマゾンの森林に多く自生していますが、リナロールを多量に含むことに目をつけた香水産業が1980年代に、マナウス地方で乱伐をするようになりました。
特に価格の安い台湾のHo-Sho精油が知られると、アマゾンの乱伐が抑えられました。

香水産業では、「ポアドローズ」というフランス語が、今でも常用されていて、英語の「ローズウッド」は、品種や属の違う、全く別の植物を指すこともあります。

一時は香水原料や化粧品原料として、ローズウッドの乱伐があり、その影響で供給が激減し、絶滅が心配されました。
現在はブラジル政府が計画的植栽が進められるなどの再生プロジェクトにより、安定供給の道が出来てきました。
1本伐採するたびに、1本植木しなければならない法律ができているそうです。
ただ、成長が遅く、精油が抽出できるようになるまでに15年もかかります。
現在は、木部で抽出された精油は、売り切れで、葉から抽出したものが出ているようです。
代替品として、化学組成が近いホーウッドの精油が使われます。

ローズウッドの精油

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