キャリアオイルって?

キャリアオイルって?

キャリアオイルとは、どんなオイルなのか?

精油で皮膚塗布やトリートメントを行う場合、植物油で希釈します。
植物油とは、植物から採れる油のことです。
油は科学的には油脂と呼ばれます。
植物油は精油のように強い香りは持たず、炭素数の多いものは無色・無臭です。
炭素数の少ないものは不快な臭気を持ちます。
分子構造に二重結合を持つものは分解されやすく、不快な臭いを持つ場合が多いとされます。
揮発性が低く、粘土は高く、比重は1よりも小さいです。
精油にも「油」とつきますが、別物です。
精油を希釈するオイルのことを「キャリアオイル」といいます。
運ぶということ、「キャリー」といいます。
精油を体の中に運ぶ役割をします。
主に植物油が利用されます。
他に、ベースオイルと呼ぶこともあります。

●キャリアオイルを使う目的
・精油を希釈して作用を穏やかにする
(精油は非常に高濃度で、刺激や作用が強いものがあるためです。)
・精油の揮発を抑え、持続性を高める
(揮発性と脂溶性をもつ精油の成分はキャリアオイルによく溶けて精油の揮発を留めます。)
・潤滑剤として働き、軟化作用がある
(優劣の差はありますが、すべてのキャリアオイルに軟化作用があります。)
・キャリアオイルそのものが持つ薬理作用を利用する
(キャリアオイルも肌質や目的に合わせて選択することで、より有用性を高めることができます。)

市販されている植物油は、食用も含めて多種多様です。
その中から、どのような植物油がアロマテラピーに適しているのかを選択できるようにしましょう。

●キャリアオイルを選ぶ注意事項(選択・目安・基準)
・植物油であること。
・植物名(学名)が明らかであること(ファーナスオイルは除く)
(植物を原料にしているということです。)
・パッケージに「化粧品」、「化粧油」と明示されていること
(2001年より化粧品の承認・許可制が廃止されたため、全成分を確認してください。)
・ロッドごとに国内検査されていること
(主たる成分(成分組成)分析によって確認できる植物油が理想的です。)
・ぶ香や着色などがされておらず、残留農薬、酸化防腐剤(パラペン)、鉛、ヒ素、カドミウム、重金属が混入されていないことを確認します。

●どんなキャリアオイルが良いか
・植物油であること
・フレッシュなこと
・滑りが良いこと
(トリートメント中の手の滑りをよくすることで、心地良さに違いが出ます。粘性の違いもさまざまです。)
・色。匂いがないこと
(着色料や香料が使われていないことがあります。)
・活性があること
・栄養価が高いこと
・値段が標準であること
(高すぎると購入しずらいですし、安すぎると品質に不安を感じます。)

●避けたほうがよいキャリアオイル
・鉱物油
(鉱物油は重い分子構造である炭化水素から成り、トリアシルグリセロールや植物性の脂質とは化合物の分類が異なります。鉱物油には栄養面での価値がないため、身体の消化器官はこれを分解しません。オイリーで油っぽく、毛穴を詰まらせてしまう傾向があるとされます。ベビーオイルなどです。(赤ちゃんのおむつかぶれなどには、この毛穴を塞ぐ性質から尿の浸入を防ぐために最適とされています。))
・古い
(酸化している可能性があります。色や匂いを見て酸化していないか注意が必要です。)
・匂いが強すぎる
(オイル自体の匂いに関してですが、せっかくの精油の香りを消してしまいます。あくまでも、トリートメント目的のキャリアオイルとしてはということです。)
・食用の大豆油、てんぷら油、サラダ油
(肌アレルギーが出る恐れがあります。)
・サフラワー油(紅花油)
(酸化のスピードが速いということで、管理面も含めあまり適していないようです。)

スーパーなどの油は、添加物や味付けがされているものがあります。
食用の油の使用については、自己判断での使用を禁止するものではありませんが、食用油の内容を確認して、問題なく使用できると判断したものだけを使用しましょう。
他には、高温圧搾をした際に、ビタミン、ミネラルが変質している場合がありますので、低温・常温圧搾できる植物油に対しては、抽出方法を確認するほうが安心です。

実際に精油を塗布する際に、一般的に、量的には精油よりも植物油をたくさん使用することになります。
高品質な精油を選んでいても、間違ったキャリアオイルを選んでしまっては目的をはたすことはできません。
そのため、このような植物油の安全性について確認することは非常に重要です。
このような分析表がついた植物油を使うと安心です。

●キャリアオイルの種類
・分離抽出油
アブラヤシやココヤシの実から常温で液状の飽和脂肪酸だけを分離した植物油です。
酸化されず、安定性、安全性ともに優れています。

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・ワックス
キャリアオイルとしては一般的に安価です。
化学構造上、油脂類とは異なります。
金色の液状ワックスです。
長鎖脂肪酸と長鎖の脂肪族アルコール(高級アルコール)から成るエステルで構成されています。
ロウエステルとういう特殊な構造で、酸化されにくいため保全性に優れています。
10~5℃以下で白く凝固をはじめます。
室温に戻すと再び液状になりますが品質に劣化はないとされます。
ホホバオイルはロウ類ですが、ホホバオイルと呼ばれています。

ホホバオイル

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・圧搾油
主に種子、または種子の中の仁を圧搾して油を採る方法です。
圧搾時の温度により、低温圧搾(常温で圧搾機に入れて温度が60℃~75℃を超えないように圧搾する方法)、高温圧搾と区別されます。
脂肪酸とグリセリンが結合したもので、24度以下でも液状のものです。

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などたくさんの種類があります。

・植物脂
主にクリームの基材としてして使用されます。
脂肪酸とグリセリンが結合したもので、24度以下で固まります。

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・浸入油(インフューズドオイル)
ハーブを植物油に浸して成分を抽出したものです。
抽出油そのものを塗布したり、精油のキャリアにしたり、クリームの基材としても使用されます。

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・溶剤抽出油
ヘキサン等の溶剤で抽出した後、溶剤除去の精製を行って油を採る方法です。
アボカドオイル
アロマテラピーでの使用は末精製で緑色の低温圧搾油が望ましいとされます。

このようにたくさんの種類があるキャリアオイルです。
それぞれが異なった脂肪酸類で構成されています。
ほとんどの植物油は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸で構成されています。

種子に含まれている油脂は植物が発芽するエネルギー源です。
それぞれが脂肪酸の他にステロール類、脂溶性ビタミン類、ミネラル類などを持ちます。
私たちの身体は健康な状態を保ち続けるために必要な数種類の脂肪酸を体内で合成することができません。
これらの脂肪酸を食べ物の一部として摂取しなければなりません。
これが必須脂肪酸で、大変重要であることから”必須”とういう言葉が付けられているそうです。
植物油は組織と細胞の老化には必要不可欠なものです。
キャリアオイルも精油と同じように、目的に応じて使い分けることで高い有用性が期待できます。

精油って?ケモタイプって?

分析表~付いていれば安心?~

 



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