石は、岩より小さく、砂よりも大きい、鉱物質の固まりです。
●石の歴史
１８世紀では、生命と物質の概念の区分けは現代と異なっていました。
鉱物も自然界の一連の生命の段梯の一番下に位置づけられていました。
分類学の父とされるリンネの定義があります。
｢自然物は鉱物界、植物界、動物界の三世界に区別される。鉱物は成長する。植物は生長し、生きる。動物は成長し、生き、感覚を持つ。｣
１９世紀になってラマルクが異なった線引きを主張したことで、人々の概念の区分けに変化が生じました。
｢植物と鉱物の間には越えられない断絶がある｣
これにより、概念枠が徐々に変化したとされます。
古代から何らかの境界を表すものとして石がおかれることがありました。
イギリスのストーンヘンジやストーンサークルが例です。
石は古く人間の人生のタイムスケールの中では、意図的に壊そうとでもしない限り、大きな変化の起こらない、より長い時間を存在すると考えられてきました。
永久不変であるということです。
このため、永遠性の象徴として崇められ、民俗学上では、こういった思想が世代を超えて受け継がれる原始宗教と結びついていったとも考えられています。
永久不変の鉱物から、不老不死のエッセンスが抽出できると考えた者が、水銀をを服用して中毒死した例も記録されています。
錬金術としても、鉱物に永遠性の象徴を求めていたとされています。
死や短命にまつわる神話として有名なのが、バナナ型神話です。
神が人間に対して、石とバナナを示し、どちらか一つを選ぶように命じました。
人間は食べられない石よりも、食べることができるバナナを選びました。
硬く変質しない石は不老不死の象徴であり、ここで石を選んでいれば、人間は不老不死、もしくは長命になることができました。
しかし、バナナを選んでしまったために、バナナは子ができると親が枯れて死んでしまうように、またはバナナのように脆く腐りやすい身体になってしまった（死ぬように、短命になった）のです。
他にも、ギリシャ神話の中にメデューサの神話があります。
見るものを石にしてしまう怪物に姿をかえられた元美少女メデューサのお話です。
日本では、神社に石が祀られていることもあります。
各地に夜泣き石の伝説があったり、陰陽石といわれる男女を表す石が、多産、豊穣などをもたらす呪術的な力を持つとされていたりしました。
殺生石は｢妖怪の崇り｣をもたらすとされていました。（栃木県那須町にある溶岩）
涙石の伝説も神秘的です。（千葉県市川市の弘法寺）
君が代の中の歌詞
”さざれいしのいわおとなりて”
これには、さざれ石がおおきな岩となって・・と石が成長する様が描かれています。
人類の祖先が、身近にある石の中に、ある種の力が秘められていると感じたことで、最初は、良くないことや邪悪なものを撃退する護符として使用されていたのではないかと言われています。
それから次第に石そのものが神として崇拝されたり、神の恵みと豊穣を願って土の中に埋められたりするようになったとされます。
石は、宗教や儀式、魔法として、人間とともに歩んできました。
宝石にも伝説がつきまうことがおおいようです。
ホープダイヤモンドが呪われているという伝説は有名です。
建材としても、墓標、宗教施設、宮殿などにも石が使用されてきました。
時計の軸受け、武器、兵器としてカーリングなどのスポーツ、碁石、半導体や集積回路としても使用されてきました。
石やメタルは自然が作り出した美しい地球からの贈り物です。
石やメタルは古くから神秘的なものとして、人々に敬愛されてきました。
科学技術の発達した現在でも、石の美しさや力、神秘的な資質で魅了されています。
言い伝えの中には、思わず｢それはどうだろう？｣とつぶやきたくなるものもありますが、それらすべてを否定してしまうのも味気がないです。
幸せを願う気持ちは、昔も今も同じはずです。
植物と同じように石やメタルにも固有のエネルギーがあるようです。
石は変化を起こしたいと願うときに助けてくれるとされました。
石は自らのパワーを貸し与えて、私たちが自身のエネルギーを利用する際の焦点としての役割を持っていました。
魔法やおまじないに興味のない人でも、誕生石を身につけると幸運が訪れるとか、パールは花嫁に涙をもたらすとかの話は信じたくなりますね！
石のパワーを疑わなかった時代の感覚を、無意識に感じているのかもしれません。
生活を豊かにし、ストレスを静め、癒しのエネルギーを送り込んでくれます。
この小さな鉱物質の固まりに興味と愛をもちつつ、そのパワーを試してみたくなりますね。
科学技術の発達したストレス社会の中で、うまくやっていくためには、それなりのバランスが必要です。
アロマテラピーでも、森林浴でも、色でも、パワーストーンでも、欠けた部分を補う何かを見つけられると幸運ですね！
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