ローレルのエピソード

ローレル

laurus

料理などでもお馴染みのスパイシーな香りのハーブです。
常緑高木で成長すると7mくらいになります。

●別名「ベイ」

●和名「月桂樹」

●月桂樹の花言葉 「栄光」「勝利」「栄誉」
●月桂樹の花の花言葉 「裏切り」
●月桂樹の葉の花言葉 「死すとも変わらず」

●学名の「Laurus」は、ケルト語で緑を意味します。
ラテン語で称賛を意味する「laudis」に由来し、栄光と英知、保護と平和の象徴でした。
優秀な詩人や競技者は、名誉の証しとして、ローレルの葉で作った冠を授けられました。

●ローレルの神
ギリシャ神話の名医アスクレービオス、太陽神アポロン、ローマ神話の豊穣神ケレス、古代ローマの牧人と家畜の神ファウヌス、ギリシャ神話の性愛をつかさどる神エロス。

●ローレルの歴史
古代ギリシャの神アポロン(予言、詩、医学をつかさどる)に捧げられていた木です。
この神の予言を伝えるのは、デルフォイの神殿の巫女たちの役目でした。
巫女たちは、まずローレルの葉を1枚食べてから予言を託宣する習わしだったといわれます。
この葉を一度にたくさん食べると恍惚状態におちいります。
巫女たちは、それを利用してトランス状態に入るのが常でした。
デルフォイの神殿の屋根は木の葉で作られ、病気、黒魔術、雷を寄せつけないように守られていました。

ローレルのギリシャ神話
”愛の神エロースの持つ小さな矢をからかった太陽神アポロンは、愛の神の怒りをかいました。
愛の神がアポロンに射た黄金の矢は、相手に恋をする矢でした。
逆に、アポロンが恋する相手には、愛情を拒絶する鉛の矢を射ました。
胸に受けたアポロンは、河の神ダフネに恋い焦がれて追いかけました。
頑なに逃げたダフネは父なる神に救いを求めました。
姿を変えてもらうようにお願いしました。
神の慈悲で、純潔を守るため、たちまち1本のローレルの木に化身されたといわれています。
これを悲しんだアポロンは、ローレルの木を神木(アポロンの木)として、王冠を飾ることにしたとされます。
この木は決して落雷しない、この木が枯れるのは社会的大事件の凶兆だといわれるようになりました。”

特別な木であったローレル木は、ローマ帝国でも、英知と栄光のシンボルとして引き継がれました。
ローレルは何百年にもわたって、特にペストに効く薬として用いられてきました。
皇帝ネロは、疫病が流行るとベイ・ツリー(ローレル)の森に逃げ込みました。
皇帝ティベリウスは、雷が鳴ると、雷よけとして、ローレルを持ってベッドの下に避難しました。
甘くスパイシーな香りは、空気を清浄して、疫病予防になると考えられていました。
病人が出ると、戸口に枝を吊しました。
ローレルの葉は、ヒステリーに使われ、果実は堕胎薬としてして用いられてきました。
葉を床にまいて、家全体を香りよくしました。
古代ローマでは、浴槽の中にローレルをまき散らし、強い香りでいっぱいにして沐浴するのが人気だったそうです。
ギリシャの教会では、床にローレルを敷きつめて空気を浄化していたそうです。
ローレルの木は、寒風で葉がダメになっても、春には再び根元から芽を出すため、復活の象徴にもなりました。
葬儀、祝い事、教会にも飾られ、悪魔の呪いから守るために庭に植えることもありました。

古代ギリシャでは「月桂樹の祈り」は、豊穣と妊娠を願う祈りでした。
キリスト教の、純潔、清浄の意味と合わさって、オレンジの花と共にローレルが、花嫁の冠に飾られるようになったそうです。

19世紀には、発毛を促すとして、髪の手入れに使われていたようです。

ヨーロッパでは、毎朝2枚のローレルの葉を食べると、肝臓を強くすることができるといわれていました。
ローレルの根の部分を肝臓病や肺結核の治療薬として利用してきました。

●パワー
守護、超能力、治癒・治療、浄化、体力

●おまじない(魔法)
中世の頃には、2月14日の前夜に、枕の下に月桂樹の小枝を敷いて願いながら寝ると、未来の結婚相手の夢をみるという「月桂樹の祈り」と呼ばれたおまじないがありました。
恋人同士がお互いに夢で逢えれば、1年以内に結婚できるという愛を占う日でもありました。
透視能力や英知を養うドリンクとして使われます。(濃厚な味)
枕の下に置いておくと、予知夢を見るといわれています。
燃やすと直観力が高まるといわれています。
守護と浄化にずば抜けて優れたハーブとされ、お守りとして身につけると、ネガティブなものや邪悪なものが寄りつきません。
悪魔払いの儀式の最中に燃やしたり、まいたりします。
窓辺に置くと、落雷に遭わずにすむとされます。
吊しておくと、ポルターガイストが家の中でいたずらをしなくなります。
家の近くで植えれば、その家の住人が病気にならないように守ってくれます。
サンダルウッドと合わせて燃やすと、呪いや不吉な魔法を解いてくれます。
夫婦で小枝を切り取り、それを2つに折って、互いに半分ずつ持っていれば、愛情をそのまま持続させることができます。
レスリング、陸上競技の選手が試合で身につけるとパワーアップします。
葉に願いを書いて燃やすと、その願い事は叶うとれます。
口に含むと、不運に見舞われることがないとされます。

●ローレルの活用法
装飾や料理(カレーやシチューの煮こみ料理)、部屋の消臭、薬用としても使用します。
木の部分は、ステッキなどを作る際にも使用されました。
シャンプーやリンス、ハンドクリーム、石鹸なとにも使われます。

●注意事項
ローレルには、いくつかの種類がありますが、学名 Laurus nobilis スウィートベイ以外はすべて毒性があるようです。
食用とするには注意が必要です。

 

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