シアバターノキのエピソード

シアバターノキ

●学名
・Vitellaria paradoxa
(一般的にシアバターと呼ばれます。Vitellaria paradoxa種のシアの木の実から抽出したシアバターで、西アフリカのサバンナ地帯に自生しています。)
固く、油分が強いため、より保湿力があるといわれています。

・Vitellaria nilotica
(Vitellaria nilotica種で東アフリカ東部に自生し、東アフリカ一帯では一般的な種です。)
オレイン酸やステアリン酸などの含まれている含有率は同じですが、nilotica(ニロティカ)種はオレイン酸が多く含まれているため、柔らかくクリーミーだといわれています。
融点も低く、溶けやすいとされます。

●別名:Butyrospermumparkii
●英名:Shea butter

シアバターノキは、アカテツ科の双子葉植物で、常緑の小高木です。
シアバターノキは、サバンナの中でも赤道直下の西アフリカと中央アフリカ諸島にのみ自生しています。
アフリカのヴェルデ岬からチャドにかけて広がるサヘル帯にも天然分布していて、この一帯はシアベルトとも呼ばれています。
(16ヶ国以上でシアバターノキが自生しています。)
この地域では年間降水量が少なく、1年のうちのほとんどが乾期です。
平均気温30度を超す厳しい環境下の中では樹木もまばらです。
アブラヤシの栽培が不可能なため、シアバターノキは貴重な油資源となっています。
シアバターノキは藪などに自生しています。
樹高は7m~25m。
寿命は200年。
花を咲かせるまでに、約20年。
実を付けるまでに、さらに約20年。(3年に一度実を付けます。)
葉は薄く8~10㎝と細長く楕円形で、小枝の先に集中しています。
花は黄色っぽいクリーム色で、葉のつけ根に単生して、1つの小枝に10~40個咲きます。
果実は5~8㎝の卵形で、アボカドに似た形と味をしています。
果実の中の種子は鶏卵ほどの大きさで硬く、シアナッツと呼ばれます。
シアナッツの中にある胚は、シアカーネルと呼ばれます。
このシアカーネルから、シアバターがとれます。

収穫は4月から8月にかけてです。
雨期の4月から6月が最盛期です。
シアの実は、熟れると自然に落ちるため、それを女性達が夜明けに拾い集め、大きな籠や器に入れ、頭に乗せて運びます。
仕上がったシアバターを頭に乗せて運ぶ伝統的な販売法があります。
カラバッシュというヒョウタンを加工したボウルにてんこ盛りにして売る方法です。

種の穫れる時期や作り手の技術、温度の変化によって、色も香りも異なります。

現地では、「神秘の木」として崇められています。
木への接触、実の収穫、圧搾、製造、販売を行うことができるのは、女性のみです。

●伝統的な製法
シアの実からシアバターを製造する過程は主に手作業で行われます。
種子の中の仁(胚)のシアカーネルに脂肪が含まれています。

果実を収穫すると、果肉の部分は食用として、種子だけを集めます。
集めた種子から仁を取り出すと木槌で細かく粉砕します。
約45%~50%が脂肪分のため、しっとりしています。
続いて、砕いた仁を鍋で焙煎します。熱を加えることで油分との分離がしやすくなります。
加熱しすぎると焦げ臭さが残るなどしますので、焙煎には熟練した技術が求められます。

続いて、粗い粉状になった仁を、ペースト状になるまで細かくすり潰します。
このような作業はとても重労働です。
近年は機械も用いられています。
ココア色のペースト状になったところで適量をボウルなどに取り、水を加えて強く練ります。
機械で挽いた直後は熱をもっているため、40~45℃の温度を保つように水の温度で調整をしながら練ります。

練り続けると、水に混ざった脂肪分が乳化して、徐々に白色に変化していきます。
ここで冷水を加えます。
完全に分離してホイップクリームのように脂肪分が浮き上がります。
白色ですが、まだ微細な殻が混入しています。
白く浮き上がった脂肪分のみを慎重に取り出して、別の容器に移します。
鍋でさらに弱火で加熱をします。
脂肪分が再び溶けて、白く見えていた色も茶色に戻ります。
時間をかけて加熱して、時々静かに撹拌して、水分を飛ばしていくと不純物は沈み、分離した脂肪分が浮上します。
それをまたすくい取り、煮詰めることで純度を高めていきます。
最後に熱いうちにフィルターで漉して、容器に注いで安置すると固まり完成です。
最初はチョコレート色をしていてチョコレートのような香りがしていても、製造過程を経て、黄みがかったクリーム色に変わり、独特のシアの実の香りへと変化していきます。

ガーナの女性たちは、重労働であっても手で感触を確かめると仕上がりも違うため、手作業を好みます。
作業は、4~5人で、おしゃべりをしたり、歌を歌ったりしながら行われます。

●使用方法
古くから食用、薬品、燃料として使われてきました。
薬品としては、傷や火傷の治療や筋肉痛、リュウマチ、白髪、脱毛予防などの万能薬として用いられています。
病院もほとんどない地域では、とても貴重な薬なのです。
ガーナでは新生児を紫外線や乾燥から守るために、生まれてすぐに全身に塗布します。
ムスリムの習慣として、生後3ヶ月の男児に施される割礼の止血・消毒としても用いられます。

西アフリカを旅行中に、現地の女性の肌の美しさに気づいた企業の創設者がシアバターを商品として発売しました。
女性たちの組合と契約し設備を提供したため、地域の女性たちは、安定した収入、ビジネスの基礎知識、発言権などを得ることができるようになりました。
シアバター作りから得られる現金収入は、産業の乏しいガーナ北部の女性にとって、重要な収入源となります。
化粧品や石鹸の原料として注目を浴びています。

手作りのシアバターは、種の穫れる時期や作り手の技術、温度の変化によっても色や香りや成分が異なります。
大量生産、均一の化粧品を作る場合には、色や香りが問題になります。
そのため、一般的には抽出や精製の過程でヘキサン等の薬剤を使い、科学的処理を施し、油脂の酸化の原因となる物質を取り除きます。
色や香りを脱色、脱臭して、安定化させるのです。
長期保存、大量生産、大量流通が前提の化粧品の場合は、精製したシアバターの方が扱いやすいからです。

精製したシアバターは、不純物と一緒に有効成分である微量成分も取り除かれてしまうため、天然のシアバターとは異なるとされます。

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